冬のロンド

1303冬のロンド

雪化粧をした樹の枝たちが楽しそうに、
そして優雅に舞い踊るそんなイメージで描きました。

「プラタナス、見上げるとそこに
葉を落とした木の枝がスラリと手を伸ばしていて
あたかも、樹の精に挨拶されているようで
気のせい?無性に描きたくなりました。」

杏樹にとって、初めて過ごす北海道の冬
厳しい寒さの中、天に向かって伸びゆく枝
プラタナスの樹は生きる勇気をくれました。

プラタナスの描かれた絵で思い浮かぶのは
アンドリュー・ワイエスの『ペンシルバニアの風景』

荒涼とした風景の真ん中に
葉を落とした大きなアメリカすずかけの樹
木肌も枝もそれは見るからにプラタナスそのもので、

あんな風に写実的には描けないけれど

描いているうちに

枝が足のようにも腕のようにも見えてきて

杏樹のカンヴァスの中では

樹の精たちは踊っている

冬空に雪を纏ってしなやかに伸びる枝
ようやく、最初に描いていたイメージに近づいてきました。

雪化粧をした樹の枝たちが楽しそうに、そして優雅に舞い踊る。

500×606mm
キャンバス アクリル
2013年

◆第13回一般社団法人公募ZEN展 東京都美術館 出展 2015年