雪化粧をした樹の枝たちが楽しそうに、
そして優雅に舞い踊るそんなイメージで描きました。
「プラタナス、見上げるとそこに
葉を落とした木の枝がスラリと手を伸ばしていて
あたかも、樹の精に挨拶されているようで
気のせい?無性に描きたくなりました。」
杏樹にとって、初めて過ごす北海道の冬
厳しい寒さの中、天に向かって伸びゆく枝
プラタナスの樹は生きる勇気をくれました。
プラタナスの描かれた絵で思い浮かぶのは
アンドリュー・ワイエスの『ペンシルバニアの風景』
荒涼とした風景の真ん中に
葉を落とした大きなアメリカすずかけの樹
木肌も枝もそれは見るからにプラタナスそのもので、
あんな風に写実的には描けないけれど
描いているうちに
枝が足のようにも腕のようにも見えてきて
杏樹のカンヴァスの中では
樹の精たちは踊っている
冬空に雪を纏ってしなやかに伸びる枝
ようやく、最初に描いていたイメージに近づいてきました。
雪化粧をした樹の枝たちが楽しそうに、そして優雅に舞い踊る。
500×606mm
キャンバス アクリル
2013年
◆第13回一般社団法人公募ZEN展 東京都美術館 出展 2015年